
東北道での前原勇太による逆走で犠牲となった平岡勝利さんの妻が、激しい憤りや、夫を亡くした悲しみなど心情を吐露しています。
怒りと悲しみ、そして絶望の淵で平岡勝利さんの妻が心情を吐露
あの日、私の人生は突然、理不尽に壊されました。夫・平岡勝利は、家族のもとへ帰るため、ゴールデンウィークの夜に車を走らせていました。
単身赴任先から久しぶりに愛知の自宅へ戻る、その道中で、彼は何の落ち度もなく、無責任な運転によって命を奪われたのです。私は今も、怒りと悲しみ、そして深い絶望に苛まれています。
「なぜ、あなたが…」止まらない慟哭とやり場のない怒り
ニュースで「東北道逆走事故」「3人死亡」と報じられていたとき、まさか自分の夫がその犠牲者だとは思いませんでした。しかし、警察からの連絡で現実を突きつけられた瞬間、私は崩れ落ちました。
夫は逆走した車に正面から衝突され、即死だったといいます。現場にはブレーキ痕すらなかった――減速も回避もできないまま、夫は一瞬で命を奪われたのです。
「なぜ、うちの人が…」「なぜ、こんな目に…」と問い続けても、夫はもう帰ってきません。
彼はただ、家族のもとへ帰ろうとしただけでした。家族を支え、子どもたちにとってかけがえのない父親であり、私にとって唯一無二の伴侶でした。
その幸せを、たった一人の無責任な運転によって奪われたことが、どうしても許せません。
怒りの矛先――前原勇太への問い
逆走した前原勇太さん、なぜあの道を逆走し続けたのか。
警察の調べでは、アルコールや薬物の影響はなかったとされています。それなのに、なぜ3キロもの距離を逆走し、複数の車に接触しながらも止まらなかったのか。なぜ、夫の命を奪うまで運転を続けたのか。
事故直前には、現場付近で11件もの通報が相次いでいたと聞きます。それでも、夫の運命を変えることはできませんでした。
「幸せを奪って許せない」――夫の知人がそう語ったと報道されていますが、その言葉以上の怒りと悔しさが私の胸を占めています。
前原勇太さん、あなたの行動がどれほど多くの人の人生を壊したのか、考えたことはありますか。あなたの軽率な判断が、私たち家族のかけがえのない日常を奪ったのです。
失われた日常、奪われた未来
夫は、家族のために働き、子どもたちの成長を心から楽しみにしていました。
私たちが一緒に過ごすはずだった未来は、あの一瞬で消え去りました。
これから先、誰と子どもの成長を喜び合えばいいのでしょう。誰に悩みを打ち明け、誰と老後を語り合えばいいのでしょう。夫の存在が、私の人生の支えでした。
夜になると、夫のいびきや寝息が聞こえた日々を思い出し、涙が止まりません。朝、目覚めても「おはよう」と言ってくれた声はもう二度と聞けません。
夫の好きだった料理を作っても、食卓は虚しく、子どもたちも沈黙したままです。
社会への問いと悔しさ
なぜ、高速道路で逆走が起きてしまうのか。なぜ、もっと早く逆走車を止める手立てがなかったのか。
事故現場のインターチェンジには進入禁止や左折禁止の標識はあったものの、物理的に逆走を防ぐ設備は設置されていなかったといいます。
夫の命は、もっと守られるべきだったのではないか。社会の仕組みにも、強い悔しさと怒りを感じています。
「これからどう生きていけばいいのか分からない」――この絶望は、私だけでなく、同じように愛する人を突然奪われたすべての遺族の叫びだと思います。
夫の死を無駄にしないためにも、二度と同じ悲劇が繰り返されないよう、社会全体で真剣に対策を考えてほしい。
しかし、どんなに社会が変わっても、私の夫はもう帰ってきません。その現実が、私をさらに深い悲しみと怒りへと突き落とします。
終わりのない喪失感と怒り
夫の写真を見つめても、もうその手に触れることはできません。子どもたちの「お父さんに会いたい」という声に、私はどう答えればいいのでしょう。
前原勇太さん、あなたの行為がどれほど多くの人の人生を壊したのか、死んで償えるものではありません。
私たちの人生は、あなたの一瞬の過ちで永遠に変わってしまったのです。
これからも私は、怒りと悲しみ、絶望と闘いながら生きていくしかありません。夫のいない人生を、どうやって歩めばいいのか分からないまま、ただ涙を流すしかないのです――。
事故の経緯と現場の状況
事故が起きたのは26日午後10時過ぎ。那須塩原市の東北自動車道上り線
前原勇太さんの運転する白い乗用車が逆走し、まず1台と接触。
最初に接触した車の運転手は

死亡した3人の身元
▪前原勇太さん(42・逆走車運転手)
▪平岡勝利さん(56・正面衝突された車の運転手、岩手県北上市在住)
▪長嶋弓子さん(60・渋滞の最後尾でトラックに追突された車の同乗者、埼玉県川越市在住)
事故直後、現場には「ガシャーン」という破壊音が響き、複数台の車が横転・大破する壮絶な状況となったといいます。
警察の捜査状況と今後
警察は、前原さんがどのような経緯で逆走に至ったのか、動機や背景を詳しく調べています。現時点で「自殺目的」と断定する発表はありませんが、ブレーキ痕がなく減速せず正面衝突したことから、故意の可能性も視野に入れて捜査が進められています。
今回の東北自動車道逆走事故は、「なぜ逆走が止められなかったのか」「なぜ前原勇太さんは3キロもの距離を逆走し続けたのか」など、多くの疑問を残しています。故意なのか、事故なのか、現時点では断定できませんが、被害者やその家族、巻き添えになった多くの人々の悲しみと憤りは計り知れません。
今後、警察の捜査によって事実が明らかになることを願うとともに、同様の事故を防ぐための対策強化が強く求められます。
事故に巻き込まれた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
今後の捜査で新たな情報が公開されましたら、追記していきます。