
消防署と聞いて、どんなイメージを持ちますか?火事や事故から私たちを守ってくれる、頼もしい存在ですよね。
でも最近、その消防署の中でハラスメント問題が起きていることをご存知でしょうか?
2023年には145件ものパワーハラスメントが報告されています
実際にどんなパワハラがあったのか、詳しく検証していきます
消防署でのハラスメントの実態!
引用;朝日新聞より
全国各地の消防本部や消防署で2023年度に暴力や性的嫌がらせなどハラスメント行為が少なくとも176件発生し、幹部級を含む206人が懲戒処分されていたことが16日、総務省消防庁による初の実態調査で分かった。有識者は厳しい上下関係や階級制などの特殊な職場環境が背景にあると指摘。放置すれば人材確保が一層難しくなり、地域の防災力低下につながる恐れもある。再発防止に向け、同庁は研修強化など対策を呼びかける通知を出した。
引用;yahooニュースより
全国各地の消防本部や消防署で2023年度に暴力や性的嫌がらせなどハラスメント行為が少なくとも176件発生し、幹部級を含む206人が懲戒処分されていたことが16日、総務省消防庁による初の実態調査でわかりました。有識者は厳しい上下関係や階級制などの特殊な職場環境が背景にあると指摘しています。放置すれば人材確保が一層難しくなり、地域の防災力低下につながる恐れもあり、再発防止に向け、同庁は研修強化など対策を呼びかける通知を出しました。
消防庁は2024年7~8月、全都道府県の担当部署に23年度の実態報告を求めました。
集計結果は、上司が部下に対して、必要以上に厳しい言葉で叱ったり、無視したりするパワハラは最多で145件。次いで性的な冗談を言ったり、不必要に体に触ったりするセクハラが19件。パワハラやセクハラなどが複合した「複数のハラスメント」が11件。妊婦への嫌がらせ「マタハラ」は1件でした。
消防官になる女性も増えてきたので、セクハラやマタハラも実際に起こっています。
消防署で起こったパワハラ事例
引用;yahooニュースより
消防署で実際に起きたパワハラの事例をいくつか紹介します
上司による暴力行為
熊本県上益城消防署に勤務する40代の男性消防司令補は2024年10月~25年1月、他の職員の前で部下の30代男性副士長に対し、計6回にわたり平手打ちの暴行を加えました。1月、副士長がハラスメント相談窓口に相談をして発覚した。司令補は「(指導の)コミュニケーションの一環だった」と行為を認めています。
また、同組合では、19年に男性職員(当時46歳)がパワハラを理由として自殺しています。
机を叩きながら大声で怒鳴る
大阪府・泉南消防署の副署長(53)は2023年12月から2024年7月にかけて、署に勤務する3名の男性職員に対し、他の職員がいる前で机を叩きながら大きな声で怒鳴ったり、「そんなもんも分からんのか」「おまえは消防士とは違う」などのパワーハラスメントをした。
ハラスメントを受けた職員の1人が落ち込んでいるのに別職員が気づき、ハラスメント委員会に通報したことで発覚。懲戒処分されました。
飲食代の強要
新潟市消防局は南消防署に勤務する40代の男性消防司令補は2024年6月、部下職員1人と2軒の居酒屋に行き、どちらの店舗でも部下職員に自身の飲食代を支払わせました。また、7月にも部下職員4人から5人で2軒の居酒屋を訪れ、全ての飲食代を部下職員に支払わせています。
新潟市消防局によりますと、2024年7月下旬に被害を受けた部下職員から上司に被害を受けたとの報告があり、事案が発覚。「指導の一貫だった。ハラスメントへの意識が足りていなかった。不適切な言動をした、部下に不快な思いをさせた」と反省しているということです。
人格を否定するような暴言を吐く
宮崎県・西臼杵広域消防本部でパワーハラスメントが横行。職員36人と退職者に聞き取りを行った結果、現役職員の半数以上にあたる20人が上司からのパワハラ被害を証言しました。
訓練中や飲み会で頭をたたいたり腰を蹴ったりする暴力や、本人や家族の容姿の中傷、セクシュアルハラスメントで、複数の職員がうつ病などの診断を受けて休職しています。
さらに、被害を訴えた20人の職員のうち半数にあたる10人ほどが、すでに退職の意思を示しているか、退職を検討していると話し、現役職員のおよそ3割が退職について考えているという結果となっています。
一方、パワハラをしたとされている3人は「記憶にない」「指導の一環だった」などといずれも否定しています。
【追記】女性消防士も犠牲に!過去の壮絶なパワハラ
イメージ画像
2015年、10年前に実際にあったパワハラです。東京消防庁・赤羽署の男性消防副士長(57)による耳を疑うようなパワハラが常態化していました。
2015年8月、赤羽署の20代の女性消防士が思い詰めた表情で「退職したいんです」と上司に訴えました。4月以降、副士長から度重なるパワハラを受けていたことを明かしたのです。
副士長は署に同庁の調査が入ると、「(無料通信アプリの)『LINE』での自分とのやり取りを消せ」などと証拠隠滅を指示。頭から清涼飲料水をかけられ、「何も言うなよ」などと脅された男性消防士もいました。
副士長は「コミュニケーションの一環のつもりで、悪ふざけが過ぎてしまった」などと説明。「職を辞して責任を取る」として、懲戒処分が出た11月20日付で依願退職しています。
パワハラを受けた後自殺した事例も
長崎県佐世保市の中央消防署では2015年2月、20代の男性消防士が約1年にわたり、上司から訓練中に殴られるなどのパワハラを受けた後、自殺していたことが分かり、市消防局は上司の50代の男性消防士長を停職1カ月の懲戒処分とした。
明るみに出ているのは氷山の一角
イメージ画像
これらの事例から、消防署においても暴力行為や過度な叱責、屈辱的な行為の強要などがパワハラとして認識され、処分の対象となっていることがわかります。命に関わる現場であっても、適切な指導の範囲を超えた行為は許容されないという認識が広まっています。
上司からのパワハラでうつ病や適応障害になり、休職に追い込まれた職員もいます。大阪府の消防本部に勤める30代男性は「消防は上下関係が厳しく、閉鎖的な職場だ。ハラスメントを周囲に相談しても、うやむやになるケースもある」と声を潜めた。
閉鎖的とされる独特な職場環境も要因とみられ、消防関係者からは「各地で明るみに出ているのは氷山の一角だ」との指摘も出ています。